ページが収まりきらない・・・

この悩みは漫画家の卵さんたちには切っても切れない悩みの一つかと思います。賞に応募するには必ず雑誌によって多少は異なりますが、規定枚数という約束があります。一般的には一作品32ページぐらいとされています。場合によっては何ページでもかまいませんという雑誌もありますが、多ければ多いほど載る確率は下がります。
コンパクトにまとめるという能力は、プロになるにあたって必須条件だからです。ページ数というのは雑誌全体として決まっています。漫画の都合上、今回はもう2・3ページ増やすなどと言うことはありません。例外はいろいろありますが、基本的には与えられたページ数に必ず納めるというのは基本中の基本です。
さてこのコンパクトにまとめるというのは、なかなか出来ないと思います。また描きたいものの描ききれないというケースもありますね。
連想と短縮では、このコンパクトにする術の一つを紹介しましょう。

5まずは問題です。

ではここにふたりの人物がいます。強面のAさんとひ弱そうなBさんですが、ここで問題です。

間違いがないようにBさんがAさんを拳銃で撃つというシーンを描いてください。とにかく撃ったという意味があればよいわけです。あなたは何コマでこのシーンを描くことが出来ますか?
答え
答えは2コマです。
あなたなら何コマでこのシーンを描きましたか?拳銃で撃ってしまうシーンや血が流れるシーンを入れてしまいましたか。
さてなぜこの2コマになったのでしょうか?
1コマ目は、拳銃をもっている図
2コマ目は立ち位置の図と硝煙が描かれています。
ここでわかった方は勘が鋭いはずです。拳銃を持っていて、硝煙が出てれば、誰がみても「こいつが撃ったんだな」と思いますね。さらに人がたおれています。完璧に思います。
お題の拳銃で撃ったということはクリアできたはずです。
つまりわかればいいのです。強引な言い方ですけど、わかればいいというのは、マンガだからです。絵で見せる=イメージさせてしまえば勝ちということです。

詳しく言うと、あたりまえながら読者は人間です。実は非常に大事なことです。人間というのは、想像できる動物です。つまり、大事なのは想像してもらうと言うことです。撃ったかのように見せる材料だけ見せて、料理は読者側にゆだねるということです。直接拳銃で撃つシーンがなくてもです。つまり撃ったシーンは読者が組み立ててくれる訳です.
わかりますでしょうか?へたに独り言のように「やべぇ・・・撃っちまった・・・」なんて台詞を足していないでしょうか?
普通にいいますか?こんなこと?
この台詞を通常「説明台詞」といって、卵さんがよくやる間違った手法です。台詞で絵の説明をしてしまう。画力がないので、わかりやすくといっているものです。マンガです。マンガで見せることを心がけてみてください。

点と線

ビールCMを想像してください。例えば中ジョッキを一気に飲み干すというシーン。これを一気に飲み干すまでカメラを回し続けてしまうと、CMは時間オーバーになります。
飲むシーンと空のジョッキを写せば、それだけで一気に飲んだんだなと思うわけです。一気に飲み干す=うまいから。にもつながりますね。
作者が描くのは点と点。線でつなぐのは読者。こんな感じになります。
少し大げさにわかりやすくしてみましたが、1.4を作者が描く点を置くことで一気に飲み干したシーンはつながりますね。しかし、4がなければ一気に飲み干したことはまったく伝わりませんね。つまり大事なのは切り抜くシーンがピンポイントでなければ全く省く作業がなりたちません。漫画はアニメと異なるのはすべてがポイント、ポイントでその間を読者は想像でつなげているものです。これは当たり前のことなんですが、案外気づかない部分でもあります。
上の2コマで一気に飲み干したという意味になると思います。これが連想させるという事です。より効率よく読者に想像してもらうことがわかりやすく濃厚なストーリーがえがけることにつながるわけです。
付け加えて言えば、この点がいかに何をしているか?ひと目でわかる構図や切り取り方を考えなければいけないという事になるわけです。
余計な台詞

連想させるということはいわば普段の日常の常識的な要素を使うことで短縮が可能になるわけです。たとえば、鍵のコマとアパートのコマで自宅というイメージが沸くように、常識という部分を上手く使うことでコマの短縮を図ることが出来ます。これが出来るようになってくると余計な独り言がなくなることにもつながります。上記の問題の中にもふれましたが、「やべっ撃っちまった…」こんな台詞を余計な独り言と言います。
この台詞は何に対して言っているかというと、読者に向けて説明しているという台詞になってしまっているのです。
後にリアルフィクションのページでも述べますが、人にもよりますが一人でいるときに独り言を言いません。(言う人もいますが)なのに新人さんが描く漫画は独り言をよく言うのを見かけます。
この独り言はなぜ描いてしまうか?


実はこの独り言は絵で説明しきれていない部分を補っているという表れになってしまっているのです。構図や動作のコマで上手く意味が伝われないかもしれない。わかりやすく台詞に出してしまっているとなるわけです。
連想と短縮、点と線を上手く使って余計な台詞を省く。これもページ内に納める一つの手法です。

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