●背景の基本

背景をかくのは、はっきりいって面倒です。同感です。だれも背景が書きたくて漫画を目指す人はまずいないでしょう。実はこれが実際にはうまさが上達しない一つの原因といえます。人物は書けば書くほど上達するでしょう、しかしいやいやながら書く背景は上達しにくいものです。しかし、背景は漫画の基本編でもあげるように大事な要素です。おろそかにすると痛い目にあいます。なぜなら人物配置の把握やコマの奥行を表現しなければいけないからです。たとえば、背景をおろそかにすると今どこにいるんだ?と読み手が疑問をもってしまい、のめりこんで読んでいる世界から現実にひきもどしてしまうからです。手の込んだ背景ほど読者は違和感なく物語の世界に入り込みます。酷な言い方ですが、重労働をやればやるほど読者に目に止まらないということになります。しかし読み終わった後の作品のクオリティに読者は評価してくれるでしょう。

●場所移動の描く

漫画の基本として場面が変わるシーンには、はじめに背景だけのシーンをいれてください。背景のコマが場所が変わりましたという合図になっています。たとえばA地点からB地点に人物が移動するという流れを描くとします。
漫画が便利なところは、たった数コマで移動が出来るという利点があります。漫画は説明が理にかなっていれば、読者は問題なく理解出来ます。独りよがりな説明ではなく、漫画のルールさえ理解できていればOKです。移動の前と後に背景を差し込んでみると
A地点の背景がいる場所の説明、そして人物の移動、B地点の背景、人物の到着という流れだけで、読者は移動したと認識してくれます。これはあくまでも極端に簡略化していますが、漫画のルールにすると、場所移動はたった4コマで、説明が出来ることになります。さらに漫画っぽく絵にしてみると以下の様になります。
非常に簡単な表現ですが、現在地と移動先の背景を差し込む事で、漫画として移動した、場面が変わったという事になります。大事なのは、「背景のみのコマ」という事です。場面が変わったという流れに台詞や人物が入り込むとその効果は薄れますので、極力背景のみというコマを作ってください。

●背景と人物

背景は細い線で定規などを使い描きます。使っていないプロの漫画家さんもいらっしゃいますが、基本的には背景の静的と人物の動的を区別するために定規を使って静的な表現をしています。線やトーンなどで質感を出せるように自分なりに工夫しましょう。人物はフリーハンドで描くことによって直線の背景の中に人物が浮き出てくるということです。また会話シーンなどが続く場合は背景を上から見たり、下から見たりといろんなカットをいれると会話だけの静止状態に動きが生まれます。



●背景こそ大ゴマに表現を

実は背景は漫画の世界観を作るのにもってこいのコマです。場面の空気感を一気に伝えられます。背景のシーンを大ゴマでドーンと使うことによって効果を一気に上げることができます。

上の図のようにページ全体【グレー部分】に対して、約半分のスペースに背景【ブルー部分】が描かれている。これは喫茶店の店内の時間がゆったりと流れているような空気感を表現しています。この背景のコマが小さい場合は、時間がゆっくり流れているというイメージが結びつきにくい訳です。大きく見せる事によって世界観や空気感が表現出来るので、はじめのシーンなどには有効な表現方法です。漫画はいかに読者を独自の世界観に引き込むか?が大きな要素を占めています。説明が書いてなくても、日曜日の午後のティータイムなどが容易に想像できる。これが、時間があまったから喫茶店でもいこうかな?などの台詞などの説明がはいってしまうと無駄なページをくってしまうというわけです。大事なのは、絵で想像させるということです。
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