●吹き出しの基本

よく一般的な間違いをしやすいのが、吹き出しから書いてしまうやり方。漫画の描き方としては、台詞を先に書いて吹き出しを書きます。コマの書き方としては、台詞→吹き出し→絵柄という流れになり、よく絵柄から書いてしまい、吹き出しがおまけみたいな感じで申し訳なさそうに配置してあることを見かけます。これは絵柄を先に書くことによって出したい絵柄が吹き出しによってけされてしまうという形になり、どうしても小さく小さくなってしまう流れからだと思います。
また吹き出しには十分な余白を持たすことが必要です。とにかく読みやすいという事を念頭に考えれば自ずとわかるかと思います。読者が読みにくい吹き出しだけで読むのが嫌になってしまうという事だって十分にありますので、吹き出しには十分な余白をとってください。

●吹き出しの順番

コマの中に吹き出しが複数ある場合などには、読む順番があります。漫画は縦書きなので、右の吹き出しが一番先に読まれます【図1】。ひとコマに例えば4つ吹き出しがある場合は【図2】になります。漫画の基本は右から左に流れて行きながら、上から下へと流れていくわけですからこのように会話の流れになります。
1コマにだいたい多くて4つから5つぐらいが限度です。あまりにも多いと読みにくさが出てしまい、わかりづらい結果になります。

●吹き出しのたるみ

【図3】のように吹き出しがコマ上下いっぱいまでなってしまうことのはあまりうまくありません。なぜかというと自分なりに2行で吹き出しに埋めるとします。印刷用の文字に置き換えたとき、隣の文字列と近くて読みにくくなってしまいます。また編集さんがセリフ回しなどを考えて改行もします。小説などは隣の行との間隔をあけているのでよみやすいわけですが、漫画は小説並に開けてしまうと意外とカッコ悪くなってしまいます。また、自分が書いたセリフと印刷用の文字は大抵印刷用の文字のほうが小さく収まります。とするとセリフの吹き出しが下だけ間延びした余白ができてしまいます【図4】。基本的に文字の大きさは吹き出しによって異なりますが、読みやすい大きさの基準はあります。雑誌などを参考にしてみてください



●吹き出しの量

長いセリフの場合は、二つの吹き出しにわける。読者は文字が多いことを嫌います。文字が多いときは区切りよく、次の吹き出しにつなげて文字が多いような感じをなくします。推理物や頭脳戦などの作品は例外ですが、一般的にはなるべくセリフを短くして、絵で魅せるを念頭に置きましょう。二つのコマを見比べたら違いがよくわかると思います。右のほうがやはりきれいに見えると思います。

また台詞が長いという事は説明口調が考えられます。初心者がよくやってしまいがちなのは、言いたいことやテーマなどを台詞でいってしまう事です。後に説明しますが、漫画は絵で見せるという事がとても重要です。普段何気なく使っている言葉と照らし合わせて、日常会話の様な自然さを出せるようにしましょう!
サイト内にある画像及びイラストは無断で転記・転載することを禁じます。

inserted by FC2 system